はじめまして。1972年2月生まれ、長崎県大村市出身の佐藤です。
2002年に写真と映像のコーロフィルムを開業し、当初はウエディングを中心に活動していました。
その後、撮影したカップルに子どもが生まれ、その家族が訪れる場所として写真スタジオを開設。
現在はファミリーフォトを中心に、多くの子どもたちが訪れる写真スタジオを経営しています。
私たちがこうして仕事をさせていただけるのは、子どもたちやファミリーのおかげです。本当にありがたいことだと思い、何か恩返しはできないかと考えていました。毎年いくつかのイベントを開催し、そこで多様な子どもたちに出会いました。その中には、他人と接するのが困難な子やハンディキャップがあり理解されずに苦しんでいる子もいました。
たくさんの子どもたちと接してきた私たちからすると、どの子も個性的でかわいいです。
ご両親ともお話しすることで、その子のことを知ることができます。知ることができれば、どうしたらいいのか尋ねることができます。しかし、知らないと排除が生まれる現実があることも知りました。
その一方で、私は自分自身の過去に向き合わなければなりませんでした。
私は「勉強ができることが一番大事だ」という家庭で育ちました。父も祖父も、親戚を見渡しても医者の家系です。
サッカーが上手くなっても、ギターが上手になっても、進学校に行っても誰からも褒められない環境で育ちました。医者にならなかった自分は何てダメなんだろうと、自分を責め続けながら、そのまま大人になりました。
大人になっても明るい未来が描けず、毎日が苦しいものでした。苦しみの中でもがきながら、色々な本を読んで勉強したり、人の話を聞いていく中で一つやっと分かったことがありました。
それは、私は異常なまでに自己肯定感が低いことでした。
それが分かったらどうすればいいのか?
どう生きていったらいいのか?
「親からの支配」から抜け出すために、私は生き直すつもりでゼロから積み上げていきました。
「ありのままの自分」という言葉があります。
最初は全く理解できませんでした。
他者と比較して生きてきた私には、ただの綺麗事のように思えました。
「ありのままに生きられるわけなんかない!」と強く思っていました。
「本当のありのままの自分を知られたら絶望される」とも思っていました。
大人になってからの訓練は大変でした。
周りの人たちに少しずつ自分をさらけ出し、そのままの自分を認める練習、受け入れる練習から始めました。半信半疑の状態から、何年も何年も練習を続けました。
もちろん簡単にできるはずもなく、傷つけたり傷つけられたりしながら何度も壁にぶつかりました。
ただ続けるうちに分かってきたことは、意外とありのままの自分を見せても誰からも嫌われないし、できない自分も愛おしいということ。
「こんな自分と今まで付き合ってくれてありがとう!実は毎日しあわせなんだな」と感じるようになりました。
そしてもう一つ、自分の大切さに気づいたら他者の大切さを痛感しました。
私は自分を肯定することができるようになりました。そうすると、他人も肯定することができるようになりました。
ありのままの相手を「いいね!」と思うようになり、他者と安心して関係を作れるようになりました。
“ひとりひとりが違って当たり前”、”違っていいじゃん”と思うようになりました。
私は子どもたちに声を大にして伝えたいです。
この世の中には、私を含め色々な人がいます。
大きいも小さいも、好きも嫌いも、たくさんの人がいるということを。色々な人が共存しているのだと。
スタジオをオープンし20年が経ちました。私をはじめ、私の仲間たちは子どもたちの笑顔を見ることに喜びを感じています。楽しんでもらえることが大好きです。
どんな子どもたちにも笑顔になってほしい!と改めて思ったのです。
そして少しは苦しみを知る私には、もっと多くの子どもたちの役に立てる可能性があると感じました。
仕事やイベントを通じて様々な方と関わる中で、地域や専門家とのつながりを生かし、多様な個性を持つ子どもたちをポジティブに知ってもらう場を提供したい。そんな思いから10人の仲間と共にNPO法人レディーフォーキッズを立ち上げました。
この団体の目標は、「世の中にはいろいろな人がいる」ということをポジティブに伝えていくことです。
マジョリティ(多数派)がマイノリティ(少数派)を受け入れるということではなく、好き嫌いは別にして、そういった価値観や存在がいるということを知るだけで「攻撃や排除」は少なくなるはずです。
理解することや受け入れることの前に、多様性を知ることが大切だと思っています。
難しいセミナーを開いて、「みんなで多様性を理解しよう!」というつもりはありません。
私がそうしてもらったように「大丈夫だよ!君もあの子もありのままでいいんだよ!」ということを伝えていきます。
そして知ることで意識が変わり、ハンディキャップのある子に対してフラットにその子の個性として「いろんな子がいて当然だよね」という意識を持って成長していってくれる、そんな世の中を望みます。
最後に、子どもたちに自信を持たせる環境や場所も必要だと思います。
自分を認め受け入れられて、初めて他者も受け入れることができます。
私たちがいろんな居場所を作ります。
子どもたちが気軽にイベントに参加したり居場所に来たら、優しい大人がたくさんいた!いっぱい褒めてもらった!嬉しいことや楽しいことがたくさんあった!
その言葉や経験が子どもたちの社会を作り、孤独を救うと信じています。
「ここに来ていいよ!」「ここにいていいよ!」私たちはそんな優しい居場所を作っていきます。
未来を共に築いていくための一歩を踏み出します。どうぞよろしくお願いします。